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無責任飛行ー予選 一

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俺が初めて
子供を創った時

本当に嬉しかった
本物の喜びを感じた

これなら
信じられると
思った

だが

その息子は
胎界主にもなれねぇ
ダメ人間になっていった


年を重ねるにつれ


見るに耐えなくなるほどに



子供の頃にあった
色とりどりの扉は朽ち果て

唯一
開いているのは
地獄の扉だけ

わかるか
この俺の絶望が……


最高の人間
真の胎界主である
俺が創り出したものは
ゴミだった


それから幾度も幾度も
繰り返し創ってきたが
失敗作ばかりだ



だがな
今なお
この生成世界に
俺の息子が創り出されると
この『たましい』は震えるのさ