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魔王メフィストフェレス 後編

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その日より数千年 
いつからか ソロモンは
原典から世界を覗き

ついには
干渉できるようになった


だが かつてのような
表立った暴挙はできない

何故だと思う
メフィストフェレス


フリードリヒ・ニーチェだな
「汝が久しく深淵を見入るとき、
深淵もまた汝を見入るのである」……



そう
世界に干渉する度に
世界からも影響を受ける存在へとなる
ソロモンは代償として
何者からも影響をうけない存在からの
凋落を支払っている


楽しそうな話に
なってきたではないか


つまり 奴は
干渉する度に
弱くなっているのだな






初めは
ほんの一瞬だった……
正気の私に戻れたのは

やがて
ソロモンの干渉時間に
比例して
正気の時間も延びていった