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その王子は
あらゆるものを「見る」ことが出来る
本物の人間でした
産まれながらに
全てを持っていたのに
ある日
その幸福を捨てて
旅立ちました
さらに深く「見る」為に
果たしてそれは達せられ
「もうこのまま死んでも良い」と
思えるほどの境地に達したのです
でも彼の『たましい』は
それを教え広めることを
望みました
人々の苦しむ心に
彼の到達した境地の
僅かばかりでも
わけてあげたいと
なんの私利私欲もなく
人々を助けたいと
思ったのです