|
|
前頁 |
願いは叶えた
十二年間絶対服従の
使い魔として
働いてもらうぞ
嘘……
次の手はないの?
無い
無い?
あるではないか
『凡蔵稀男』
いや そう名付けられた人間の
『取り替えっこ』
お前の存在そのものが
養父母の『自我の礎』を
揺るがしたのだ
『自我の礎』とは
その人間の
過去の集積から構築した
存在基盤であり
世界を認識する為の
価値体系……
すなわち
『たましい』を
翻訳したものだ
お前が
「人を助ける者」という
人格を演じているのも
その
罪の意識から
なのだろう
ねぇ〜
わかるように
言ってよ
精神分析はいいから
俺に何をさせたいのか
ハッキリ言えよ
「何を」だと?